いちごです!
「ちゃんと10時に置いたで」
これは前の晩、中1の次女が部屋に上がっていくときのセリフです。
わが家では、夜10時を過ぎたらスマホはリビングで充電するのが、家族全員のルールです。
翌朝6時半、自分のスマホを取りに充電コーナーへ行くと、次女のスマホにケーブルが挿さっていません。
「もう、挿し忘れてるやん」と挿してあげたら、画面にでかでかと「9%」の文字。
……10時からここで寝ていたスマホが、ひと晩で9%?
起きてきた次女に、つい聞いてしまいました。
「昨日、ほんまに10時に置いた?」
「置いたって」
「じゃあ、なんで9%なん?」
「知らんし!お姉ちゃんのお下がりやから、電池減るの早いねん!」
そこからは、もう取り調べです。
「何時まで使ってたん?」「誰とやりとりしてたん?」
次女は「お母さん、私のこと疑ってるん!?」と言い捨てて、ひと言もしゃべらずに学校へ行きました。
実はこの1週間、わが家は嘘の発覚ラッシュでした。
高1の長男は、穴のあいたバレーシューズを「まだ履ける」と言い張っていました。
大阪でひとり暮らし中の長女は、熱で寝込んでいたのに「元気」とLINEしてきていたことが分かりました。
3人そろって、、、
わが家には、夫婦で「これだけは譲れない」と決めていることが3つあります。
命や健康にかかわること、人を傷つけること、そして、嘘をつくこと。
その「嘘」が、1週間で3つです。
気になって調べてみたら、アメリカの心理学者ナンシー・ダーリング博士が、10代と嘘について長年研究していました。
博士によると、親に嘘をつく10代は、なんと98%。
お金の使い道、友達とどこに行ったか、何をしていたか、誰と付き合っているか、、、いろんなことで親に嘘をついているそうです。
……98%って、ほぼ全員やん(笑)
うちの3人が特別なわけじゃないと分かって、ちょっとだけホッとしました。
子どもの嘘をゼロにするのは無理でも、嘘をつかれたときの親の受け止め方なら変えられます。
3人を育てながら何度も失敗して、ようやくたどり着いた6つのことを書いてみますね。

1. 「怒らないから言ってごらん」は、もう言わない
長女が小学生のころ、私の決めゼリフはこれでした。
「怒らへんから、正直に言ってごらん」
そして、正直に言った長女を、しっかり怒っていました。
……今思えば、ぜんぜん笑えません、、、
お盆に帰省した長女にこの話をしたら、笑いながら言われました。
「お母さんの『怒らへんから』は、怒る合図やったで」
子どもからしたら、あれこそ親の嘘ですよね。
今は、「怒らないから」とは言いません。
かわりに言うのは、「何があったか、教えて」だけ。
怒るかどうかは、聞いてから決めます。
守れない約束はしないほうが、子どもも話しやすいみたいです。
2. 証拠を突きつけて「取り調べ」をしない
電池9%の朝の私は、完全に刑事でした(笑)
証拠を並べて追いつめると、子どもは「どう言い逃れるか」に頭を使います。
問い詰めれば問い詰めるほど、嘘の上塗りが始まってしまうんです。
わが家では子どものスマホの中身はのぞかないと決めているので、嘘をあばくために履歴を見ることもしません。
その夜、晩ごはんの片づけをしながら、ひと言だけ聞き直しました。
「昨日、寝る前もちょっと使ってた?」
少しの沈黙のあと、次女がぼそっと。
「……ちょっとだけ、、、友達のLINEが終わらへんかってん」
たぶん「ちょっと」ではなかったと思いますが(笑)
「ちょっとだけ」と言える逃げ道を残しておくと、子どもは案外、自分から認めてくれるんですよね。
3. 嘘の中身より、「なんで嘘をついたか」を見る

長男のバレーシューズに気づいたのは、玄関でした。
ニオイ対策で、練習から帰ったらシューズを玄関に出して干しておくのが、長男の習慣なんです。
ふと見たら、靴底はつるつる、つま先には小さな穴。
「これ、そろそろ替えどきちゃう?」と聞くと、「まだ履ける」。
次の日も、その次の日も「まだ履ける」。
わが家では、部活で必要なものは親が出すルールです。
自分のお小遣いが減るわけでもないのに、なんで?
理由を聞き出したのは、夫でした。
コンビニに連れ出した帰りの車で、男同士、ぽろっと話したそうです。
「ベンチやのに、新しいシューズとかもったいないやん」
新人戦のメンバー発表で、スタメンに入れなかったばかりの長男です。
聞いた瞬間、胸がぎゅっとなりました。
ダーリング博士によると、10代が親に嘘をつく理由は3つあるそうです。
「怒られると思うから」「親をがっかりさせると思うから」「この先やりたいことを止められると思うから」。
どれも、親の反応をちゃんと気にしているからこその嘘なんですよね。
同じ「嘘」でも、次女のは怒られたくない嘘、長男のは親に気をつかった嘘。
理由がちがえば、かける言葉もちがいます。
夫は長男に、こう言ったそうです。
「ピンチサーバーは1本勝負やろ!足元すべったら、その1本で終わりや」
「商売道具は、ケチったらあかんで」
さすが社長、こういうときだけ名言が出ます(笑)
その週末、2人でスポーツ店に行って、新しいシューズを買ってきました。
1万円を超えることも多いバレーシューズ、長男なりに値段まで気にしていたのかもしれません。
4. 正直に言えたら、まず「言ってくれてありがとう」
次女が「ちょっとだけ」と認めたとき、私が最初に言ったのは「正直に言ってくれてありがとう」でした。
……と書くとかっこいいですが、本当は「やっぱりな!」が喉まで出かかっていました(笑)
でも、ここで怒ったら、次からはもっと上手に嘘をつくだけ。
門限も、わが家は「連絡すれば怒らない、無断だけ怒る」がルールです。
嘘も同じで、正直に言ったほうがラクな家にしておきたいんです。
正直者が損をする家だと、子どもは嘘が上手になるだけですから。
ダーリング博士の研究でも、ルールがはっきりしていて、しかも親があたたかい家の子ほど、先に「いい?」と許可を取りにくるし、ルールを破ったときも打ち明けやすいそうです。
ルールとあたたかさは、セットなんですね。
そのうえで、ルールの話は、ルールの話として別にします。
次女と話して、「LINEが長引きそうなときは『10時やから、また明日』と送る」ことに決まりました。
決めたのは、次女本人です。
自分で決めたルールは、親が決めたルールより、ちゃんと守るんですよね♪
5. 親も、小さな嘘をやめる
子どもに「嘘はダメ」と言いながら、私も小さな嘘をけっこうついていました。
「あと5分で出るよ」と言って、実際に出るのは20分後。
「お母さんも昔は、テスト勉強ちゃんとしてたで」も、真っ赤な嘘です(笑)
長女がまだ小さかったころには、インターホンの勧誘に「お母さん、いないって言っといて」と頼んだこともあります、、、
子どもに嘘をつかせていたのは、私でした。
夫は夫で、まだ会社にいるのに「もうすぐ着く」とLINEしてきます。
子どもって、親の言うことより、親のやっていることをよく見ていますよね。
最近は、「ごめん、あと20分かかる」と正直に言うようにしています。
夫の「もうすぐ着く」は、、、まだ直りません(笑)
6. 体と命にかかわる嘘だけは、本気で話す
最後は、長女の「元気」の話です。
少し前、長女からのLINEの返事が、2日後の昼にやっと届いたことがありました。
「ごめん、寝てた」のあとに、ひと言「元気」。
この前、電話でしゃべっていたら、長女がぽろっと言ったんです。
「実はあのとき、熱出して2日寝込んでてん」
近くのクリニックで診てもらって、今はすっかり元気だそうです。
「なんで言わへんの!」と言いかけて、ぐっとこらえて、理由を聞きました。
「だって言ったら、お母さん大阪まで来そうやもん」
……行きますけど?(笑)
心配をかけたくない、という気持ちはうれしいんです。
でも、ひとり暮らしで熱を出して、誰にも言わずに寝ているほうが、親としてはよっぽどこわい。
夫婦で決めている「譲れない3つ」のうち、「命や健康」と「嘘」を同時に踏んでいるわけです(笑)
だから、ここだけは本気で話しました。
「小さい嘘は、まあええ」
「でも、体がしんどいときに『元気』は言わんといて」
「急ぎのときと同じで、そういうときは電話して」
長男のシューズも、穴があいたまま試合に出て、すべってケガでもしていたらと思うと、同じ話です。
小さな嘘は、さらっと流す。
体と命にかかわる嘘だけは、夫婦で同じ顔をして、本気で話す。
このメリハリがあるから、本気のときの言葉が届くんだと思います。
目指すのは「嘘をつかない子」より「嘘をつかなくていい家」

そんなわけで、子どもが嘘をついたときにわが家が決めているのは、「『怒らないから』と言わない・取り調べをしない・理由を見る・正直に言えたらまず認める・親も嘘をやめる・体と命の嘘だけは本気で話す」の6つです。
98%の10代が親に嘘をつくなら、わが家の嘘もゼロにはなりません(笑)
目指しているのは、「嘘をつかない子」より、「嘘をつかなくていい家」。
正直に言っても大丈夫だと思える家なら、本当に困ったときに、ちゃんと話してくれる気がするんです。
ちなみに、電池9%事件の数日後。
朝、充電コーナーをのぞくと、次女のスマホは100%でした。
その横に、付箋が1枚。
「昨日はちゃんと10時に置きました」
……わざわざ書くところが、ちょっとあやしい(笑)
でも、今回は信じることにします♪

